講演 「原発と原爆」 ③核技術の利用と拡散

1945年8月6日に広島、9日には長崎に原爆が投下された。長崎の浦上天主堂の上で爆発したのは何か因縁めいている。

戦後、核技術を様々なことに利用しようとする動きが出てきた。特に軍事的にも応用され、潜水艦への利用がはかられた。原子炉は長期にわたって大きな熱が出続け石油を使う必要がない。さらにミサイルの弾頭に核弾頭を装着する。それが原子力潜水艦ノーチラス号であった。

オッペンハイマーは強く反対していたが、原子力開発の中心はすでにオッペンハイマーの手から離れ、戦後の新しい科学者グループへ移っており、止めるのは無理であった。

当初、核技術はアメリカが独占していたが、49年8月にソ連が核実験に成功し、53年には水爆実験をした。その後、イギリス、フランスも成功し、核技術は拡散して行くことになった。